かね

かね
I
かね
(連語)
〔終助詞「か」に終助詞「ね」の付いたもの〕
文末にあって, 体言および体言に準ずるもの, 動詞・形容詞および助動詞の終止連体形に接続する。
(1)疑いつつ念を押す意を表す。

「大丈夫~」「何かおもしろくないことでもあるの~」

(2)質問する意を表す。

「どうです, もうかりました~」

(3)反問する意を表す。

「そんなこと君にできる~」

〔近世江戸語以降の語。 話し言葉に用いられる〕
II
かね【印】
飼い主・飼育地・品位などを表すために馬や牛などに押す焼き印。 かなやき。 [色葉字類抄]
III
かね【矩】
(1)「曲尺(カネジヤク)」に同じ。
(2)まっすぐなこと。 直線。 また, 直角。

「~に渡いておし落さるな/平家 4」

(3)模範。 手本。 規矩(キク)。

「諸人の~となしぬ/洒落本・深弥満於路志」

IV
かね【金】
(1)金属。 金・銀・銅・鉄など。

「~の箸」

(2)金銭。 おかね。

「~をためる」「~を貸す」

〔近世, 上方では主に銀貨が用いられたことから「銀」の字も用いられた〕
~が唸(ウナ)・る
有り余るほど金銭を貯え持っている。
~が敵(カタキ)
金銭のために苦労したり身を滅ぼしたりすることが多いということ。
~が金を溜(タ)・める
もととなる金があれば次々に金はたまる。
~がものを言・う
解決困難な事でも, 金銭の力で容易に解決しうるということ。

「万事~・う世の中」

~で面(ツラ)を張る
金銭の力で人を従わせる。
~に飽(ア)か・す
費用を惜しまずに物事を行う。

「~・して作った豪邸」

~に糸目をつけぬ
〔「糸目」は釣り合いをとるために凧(タコ)につける糸。 それをつけずに飛ぶにまかせる意から〕
惜しげもなく金を使う。
~にな・る
金もうけになる。

「この仕事は~・る」

~に目がくら・む
金ほしさに思慮・分別・良心を失う。
~の切れ目が縁(エン)の切れ目
金銭だけで成り立っていた関係は, 金銭がなくなればつながりが切れてしまう。
~の轡(クツワ)を食(ハ)ます
金銭を与えて口止めする。
~の生(ナ)る木
(1)労せずして金を生む財源。
(2)フチベニベンケイの別名。
~の番人(バンニン)
いたずらに金銭をためているだけで使い道を知らない人。 守銭奴。 金の番。
~の世の中
金銭の力が万能である世の中。
~の草鞋(ワラジ)で尋・ねる
〔鉄製の草鞋はすりへらないことから〕
根気よく探し求める。
~は天下の回り=もの(=持ち)
金銭は一か所にばかりとどまっているものではなく, 世間を回って動く。
~は湧(ワ)き物
金銭は思いがけず手に入るものである。
~を落と・す
(1)金を紛失する。
(2)(観光地などで旅行客などが)金を使う。
~を食・う
費用が多くかかる。
~を包・む
お礼やお祝い, おわびのための金を直接目にふれないよう包んで渡す。
~を寝か・す
金銭を有効に使わずためておく。
V
かね【鉄漿】
御歯黒(オハグロ)の液。

「~をつける」

VI
かね【鐘・鉦】
(1)つりがね。 《鐘》「お寺の~をつく」
(2)鐘の音。 《鐘》「遠くから~が聞こえる」
(3)撞木(シユモク)でたたくかね。 たたきがね。 《鉦》
~も撞木(シユモク)の当たりがら
〔鐘の音は撞木の当たり具合で変化する意〕
こちらの対応の仕方で, 相手の出方も決まる。 また, つきあう相手によって, 良くも悪くもなる。
~や太鼓(タイコ)で探・す
〔迷子などを探す時, 大勢で鉦や太鼓を打ち鳴らしたことから〕
大勢で大騒ぎしながら探しまわる。

Japanese explanatory dictionaries. 2013.

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